お役立ちコラム

施工トラブルを未然に防ぐ!依頼前に知っておきたいチェックポイント

2025.06.24

エアコンの設置工事は、一度施工すると10年以上使用する重要な設備投資です。しかし、施工業者選びや事前準備を怠ると、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。

京都の空調設備専門業者として長年の経験を持つ小林設備では、お客様から様々なトラブル相談をお受けしてきました。「他社で施工したエアコンが故障続きで困っている」「設置後に近隣から苦情が来た」「想定外の追加費用が発生した」など、適切な事前準備と業者選びで防げたはずの問題が数多くあります。

今回は、エアコン設置で失敗しないために、依頼前に必ず確認しておきたいポイントを詳しく解説します。

エアコン設置で発生しやすいトラブル事例と防ぐ方法

配管工事に関するトラブル

配管工事は、前回のコラムでも詳しく解説した通り、エアコンの性能を左右する重要な要素です。しかし、この配管工事こそが最もトラブルが発生しやすい部分でもあります。

特に多いのが、配管の断熱材が劣化して結露が発生し、壁が汚れてしまうケースです。これは屋外に露出した配管の断熱材が紫外線や風雨にさらされて劣化することが原因ですが、断熱材に関しては一定で配管メーカーによって大差はありませんが、樹脂製の化粧カバー等を使用して配管及び断熱材を保護する方法をとることでこのようなケースを避けることが可能です。

また、配管に不必要な曲がりが多いと冷媒の流れが悪くなり、エアコンの効きが悪くなったり電気代が高くなったりする問題も頻繁に見られます。

防ぐ方法としては、まず現地調査の段階で配管ルートを詳しく相談することが重要です。最短距離での配管設計はもちろんですが、建物の構造や美観、将来のメンテナンス性も考慮した最適な経路を提案してもらいましょう。屋外部分の断熱材については、価格だけでなく耐候性の高い材質を選択し、配管の固定についても風圧や振動に十分耐えられる適切な固定間隔での施工を依頼することが大切です。

構造的な問題によるトラブル

建物の安全性に関わる重要な問題で、専門知識が必要な分野です。一般のお客様には判断が難しい部分ですが、こうした問題を見逃すと深刻な事態につながる可能性があります。

よくあるトラブル事例:

  • 室外機の重量で架台が変形・破損
  • 壁の強度不足で室内機が落下の危険
  • 建物の制約で室外機の設置場所が確保できない
  • 既存の配管穴が使用できず追加の穴あけが必要

これらの問題を防ぐには、建物構造を正しく理解し、適切な調査ができる業者選びが重要です。建物構造の事前確認、室外機設置場所の耐荷重確認、室内機取り付け位置の下地確認、配管貫通部の事前調査など、専門的な知識に基づいた詳細な調査が必要になります。

次の章で説明する業者選びのポイントを参考に、こうした専門的な調査をしっかり行える業者を見極めましょう。

近隣トラブルの事例

住環境を守るために、事前の配慮が欠かせない問題です。一度発生すると修復が困難で、長期間にわたって近隣関係に影響を与える可能性があります。

よくあるトラブル事例:

  • 室外機の運転音が隣家に迷惑をかける
  • ドレン水が隣地に流れ込んでしまう
  • 室外機の熱風が隣家の洗濯物に当たる
  • 配管工事で隣家の壁を汚してしまう

これらのトラブルを防ぐには、近隣への影響を事前に十分検討し、適切な対策を講じることができる業者選びが重要です。騒音対策の事前検討、ドレン水処理の計画、熱風方向の確認、施工時の養生対策など、近隣に配慮した施工ができる経験豊富な業者を選ぶ必要があります。

以下で説明する業者選びのポイントを参考に、近隣への配慮を怠らない信頼できる業者を見極めましょう。

施工業者選びで失敗しないための見極めポイント

見積もりの透明性と詳細度

信頼できる業者の見積もりは、工事項目が詳細に記載され、材料費と工事費が明確に分かれています。さらに、追加工事の可能性とその費用について事前に説明があり、保証内容と期間も明記されているのが特徴です。

一方で注意が必要なのは、「工事一式」などあいまいな表記の見積もりや、極端に安い価格設定の業者です。後者は手抜き工事のリスクがあるため、価格だけで判断せず、工事内容の詳細を確認することが重要です。また、口頭での説明のみで書面がない場合や、契約を急かすような業者は避けるべきでしょう。

現地調査の丁寧さ

良い業者を見分ける最も重要な判断基準の一つです。現地調査の対応を見れば、その業者の技術力や顧客対応の姿勢がよく分かります。

信頼できる業者の現地調査は非常に丁寧で、室内機・室外機の設置場所について複数の提案をしてくれます。単に機器を設置するだけでなく、配管ルートを詳しく説明し、電気容量や配線の確認も行います。さらに、近隣への影響について配慮した提案をし、施工上の制約や注意点を事前に明確に説明してくれるのが特徴です。

これに対して注意が必要なのは、現地調査を省略して見積もりを提示する業者や、設置場所の制約を十分に確認しない業者です。お客様の希望を聞かずに一方的に提案したり、追加工事の可能性について説明がない業者は避けるべきでしょう。現地調査の段階で業者の姿勢や技術力がある程度判断できるため、この段階での対応を慎重に見極めることが重要です。

実績の確認方法

業者選びでは実績の確認も欠かせません。施工実績の写真や事例を豊富に提示できる業者は、技術力と経験の証拠でもあります。特に、同じ建物構造での施工経験があるかどうかは重要なポイントです。地域での施工実績が豊富で、大型施設やマンションなど幅広い対応実績がある業者は、様々な状況に対応できる技術力を持っていると考えられます。

施工事例の顧客満足度や、特にアフターサービスの対応評価は長期的な関係を考える上で重要な指標となります。

設置後のメンテナンスを考慮した依頼時の注意点

メンテナンスしやすい設置場所の相談

エアコンは設置後10年以上使用する設備のため、設置場所を決める際は日常的なメンテナンスのしやすさを十分に考慮する必要があります。

室内機はフィルター清掃のしやすさが重要ですが、吹き抜けで天井が高い部屋では当然室内機も高い場所に設置します。そういった際は脚立を使用することで対応は可能でしょう。あえて言えば、家具の配置とのバランスを考慮し、将来の部屋の使い方変更にも対応できる位置を選ぶといいですね。

室外機の設置場所では、定期点検時のアクセスの確保が重要になります。清掃作業のためのスペースを確保し、給湯器などの周辺機器との干渉を避ける必要があります。積雪地域では雪害対策も考慮に入れて設置場所を決定しましょう。これらの要素を総合的に判断して最適な設置場所を提案できる業者を選ぶことが、長期的な満足度につながります。

保証内容の詳細確認

エアコン設置における保証は、機器本体のメーカー保証と施工保証の二つに分かれます。機器本体の保証期間はメーカーが定めた期間となり、施工保証については業者によって期間と範囲が異なります。特に重要なのは冷媒ガス漏れなどの施工に起因するトラブルが保証対象に含まれているかどうかです。

通常の施工会社であれば、施工に起因するトラブルについては対応してくれることがほとんどですが、家電量販店経由の場合は窓口が施工会社ではなく購入した販売店になります。

専門店での購入、家電量販店での購入、いずれの場合も保証期間中の対応方法や、保証外となる条件についても事前に確認しておくと安心です。家電量販店であれば延長保証を活用することも一つの案として有効かもしれませんね。

故障時の対応体制

エアコンは精密機器のため、どれだけ丁寧に施工・メンテナンスを行っても突然の故障は避けられません。ある程度使用年数が経過し、メーカー保証や販売店保証期間が終わっていた場合、メーカーへの直接問い合わせがファーストチョイスになるでしょう。一方、対応に急を要する場合、近隣の空調工事専門業者へ依頼する手段もあります。

空調工事業者は機器の販売も行うところも存在していますので、購入と取り付けから地域密着業者を選ぶことは、迅速な現地対応が可能であることや、長期的な関係構築による安心感、故障時の対応などにおいてメリットがあります。地域特性を理解した提案ができ、施工履歴の管理により的確な診断が可能なため、大手チェーン店では対応できない細かなサービスや、地域の気候特性を考慮したアドバイスなども期待できるでしょう。

まとめ:トラブル防止は事前準備から
エアコン設置でのトラブルを防ぐためには、以下の点が重要です:

事前準備のポイント

  • 建物の構造や制約を事前に把握
  • 近隣への影響を考慮した設置計画
  • 将来のメンテナンス性を考慮した設計

業者選びのポイント

  • 透明性の高い見積もりと詳細な説明
  • 丁寧な現地調査と複数の提案
  • 豊富な実績と良好な評価

長期的な視点での準備

  • 保証内容とアフターサービスの確認
  • 故障時の対応体制の確認
  • 地域密着業者との関係構築

エアコン設置は単なる工事ではなく、長期間にわたって快適な空調環境を維持するための重要な投資です。適切な事前準備と信頼できる業者選びにより、安心して長くお使いいただける空調システムを実現しましょう。

京都の空調設備専門業者として、小林設備では設置前の詳細な現地調査から、施工、アフターメンテナンスまで一貫してサポートいたします。エアコン設置でご不明な点がございましたら、ぜひ小林設備までお気軽にご相談ください。